草むしりや草刈りの労力を考えると、うんざりします。それも1回や2回ではなく何回も何回も、土地を所有する限りこの苦労から逃げる事は出来ません。猫の額ほどの広さの庭であれば、毎日少しづつ草むしりの作業を行えば、いずれ終わります。しかし、農園やゴルフ場など大規模な土地の場合は機械化するか、アウトソーシングで対応するしかないでしょう・・・・
せめて、労力を注いだ分だけでもお金にならないだろうか。若しくは刈り取った草を売って換金できないだろうか。このように思う事は一度や二度、誰でも頭に浮かぶでしょう。畜産業であれば、この刈り取った草を飼料として利用しますが、そうでなければ有料で廃棄するしかないのです。
たとえお金にならなくとも、これが燃料にならないだろうか。どこでもたくましく育つ雑草、毎年毎年無限にある雑草、刈取労力を別にすれば、ほぼタダな雑草。これが燃料として役立つのであれば、SDGsやCO2排出削減に貢献すると伴に、大きな雇用が創出されるのです。この事は、もしかするとパラダイムの転換にもなり得る可能性を秘めています。
さて、このような雑草の燃料化は古今東西で考えられてきました。例えば、➀雑草からメタンガスを生成する方法、➁草を中心にガス化する方法、③藁や雑草からエタノールを抽出する方法など化学的アプローチから燃料化を研究・開発してきたのです。また物理的には粉砕機や造粒機などの機械装置を使って、④雑草のペレット化などの方法も考えられてきました。
これらの方法は、高額で巨大な設備を必要としたり、特別な品種を栽培する方法などのため、農家や中小企業・零細企業が参画する事業ではありません。スモールビジネスとして成り立つ為には、まず、少額な設備投資、原料は廃棄物、利幅が大きい、それに管理が容易(管理コストが低い)である事が挙げられます。このような条件に見合ったのが、以下に提案する「植物燃料」なのです。
♦ 製造
植物燃料は、雑草・農業非食品部を収集し、天日乾燥・破砕のプロセスを経て、廃食油からBDFを生成した後に残ったグリセリンとブレンドして作られます。
この植物燃料はバイオマス燃料のためカーボンニュートラルとなるのに加え、極めて高い熱量が得られます。
♦ 焼却場の厄介者の、雑草・剪定廃材・農業残さの有 効利用提案
1.ゴルフ場の維持管理に欠かせない樹木の剪定作業において発生する、剪定残材や伐採処理木の有効利用では、従来の産廃処理ではなくバイオマス燃料にリサイクルし利用する方向に関心が高まって来ています。
2.また、ゴルフ場のグリーンの芝生・フェアウエーの芝生や、雑草類の刈り取り分は肥料材料に利用が進んでいます。
3.道路の側道・のり面などの刈り取り済み雑草類・および農業残さ類の発生バイオマスは、未処理分を業者が地区の焼却場に有料で持ち込みして焼却処分をしていますが、昨今の燃料費高騰及び焼却炉の能力不足などで、焼却処理が出来ない現実もあります。
4.それらのバイオマス資源になるものを化石燃料を使用して、ただ焼却処分するのではなく、どうしても必要な補助燃料に変身させて使用することを考えました。
5.雑草類を完全なバイオマス燃料とするために、植物燃料の製造特許を取得して、植物燃料の製造販売を始めました。
6.本提案書は、バイオマスの有効利用するため、同じバイオマス廃棄物の商用廃油をリサイクルして、BDF、BGF燃料を取った後に残る水溶性グリセリンと雑草類をブレンドすることで作る植物燃料焼却時に散布して使用する、補助燃料として提案するものです。
7.雑草類は地元で焼却場に集まってくるものを流用し、水溶性グリセリンを供給することとしました。
8.雑草類の収集は運搬コストを削減するためには、「地産地消」の出来る小型プラントを考えることです。
9.ゴルフ場の周辺農家の家畜糞と混合することで、肥料としてゴルフ場内で使用できます。 また ペレット化によるボイラー燃料に使用し、化石燃料に変わる燃料として、ゴルフ場の風呂・シャワーなどの温水ボイラーの燃料として利用する事も可能です。
9.木質ペレットは単独でも燃焼は出来るが、家畜糞は単独での燃焼は出来ないため両者を混合したペレットにすることで、熱量アップと安定性を保てます。
岡山県某市の焼却場の現実の分析は
年間の可燃ごみの焼却量は、8,600㌧(年間の量、そのうちの3%が雑草類なので258㌧が原料として使用可能)
1日24時間焼却している量は、8,600㌧÷300日(年間の稼働日数)とすると、1日24㌧をの焼却処理。
この24㌧を焼却すために、4㌧の化石燃料を補助燃料として使用している。
月換算では、4㌧×30日=120㌧の補助燃料を使用している。
年換算では、120㌧×12ヵ月=1,440㌧の化石燃料を使用していることになる。
この化石燃料を使用することで、CO2発生量は、
A重油の場合は=使用量kℓ(使用量)×39.1GJ/kl(A重油の単位発熱量)×0.0189kl/GL(原油換算係数)×44/12(その他係数)の式から.
1,440㌧×1,000×39.1GJ/KL×0.018tC/GL×44/12=3,901,867tCO2・・・CO2の発生量となる。
A重油の消費量の金額換算は、1,440㌧×1,000×120円/l=172,800,000円が補助燃料代として使用している。
A重油の化石燃料をやめて、植物燃料(バイオマスの為)を使用した場合は、カーボンニュートラからCO2はカウントされません。
1.植物燃料を購入した場合の試算
植物燃料の購入価格は、1トン35,000円なので、1,440㌧×35,000円=50,400千円で済みます。
従って費用面では、172,800千円-50,400千円=121,600千円の経費が節減されます。
2.植物燃料を地元で生産して使用の場合の試算
雑草燃料を地元で生産して使用する場合の費用は、初期投資が生産設備一式¥30,000千円
グリセリンの購入費、雑草類を地元発生分ですべて調達する場合
1,440㌧÷2(雑草とグリセリンを1体1でブレンド)=720千㌧のグリセリンを購入する必要があります。
720千㌧×50千円=36,000千円。
但し、投資額30,000千円の減価償却費用負担が発生します。
※ 雑草類が分散しているため瀬戸内工場での生産量には限度があります。従って現地生産をお勧めます。
雑草などのバイオマス燃料を使用することで、CO2の削減と大幅な経費削減につながります! SDGs
植物燃料を自治体内で製造する場合について
♦ コンサル
弊社では、この植物燃料の製造と販売を行っております。植物燃料を企業或いは自治体・NPO等での製造を検討していらっしゃるクライアント様には、コンサル業務も行っておりますので、お手軽にお問い合わせ下さい。